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ヒノキの香りと薪で焚いたやさしいお湯で
身体と心が思いっきりリラックス
「うぅ〜〜〜。きもちいい〜〜〜〜〜〜〜!」
ざぶ〜んと肩まで湯船に浸かった。なんと気持ちがいいことか。これは僕が入ったお風呂の中で一番の気持ち良さかもしれない。時間とともに身体だけではなく、僕の心にへばり付いていたストレスがはがれていくのを感じる。何とも言えない、開放感。もう笑うしかないくらいいい気分だ。わははは。がははは。
ここは豊田市の静かな片田舎。僕の実家の庭でやっと露天風呂キット初体験をした。
湯船に浸かると何より先に僕を感動させてくれたのが、お風呂全体に広がるヒノキの香り。なんといい香りだろう。まるで森の中にいるようなスーッとした気持ち良さにウットリ。ヒノキの持つフィトンチッドには精神を安定させリラックスさせる効果
がある。すっごく贅沢な気分。やっぱ日本人はヒノキ風呂だよなあ。少し高いけどこれにして大正解!
「あれちょっとまてよ? このお湯、ガスで沸かしたお湯とはぜんぜん違うゾ……。
チクチクした感じがまったくない。まるで温泉のように柔らかなお湯ぢやないか。それに身体の芯まであったまるなあ……」
薪で沸かしたお湯が柔らかなのは「遠赤効果 」のおかげ。遠赤で水のクラスターが小さくなるからだ。薪で焚いたご飯がおいしいのも同じ理由。だから薪風呂に入る人間もおいしくなる? (それはないが、芯から暖まるのは間違いない。)囲炉裏、竈(かまど)、薪風呂、なんと素晴らしきかな日本の道具たちよ。
しかも薪で焚くお湯は冷めにくい。火が消えても、釜の中に熾き火が残っているのでその熱でじわじわと暖めているのだ。これもすごい! 釜の構造も優れもの、薪の熱エネルギーを余すことなく吸いあげるようにできている。あらためて昭和という時代の素晴らしさを感じた。
目を上に向けるとひときわ大きく輝くシリウスが目に飛び込んできた。
そして気がつくと空全体に何千もの星が広がっているではないか。
「ここはどこだっけ? そうだよなあ。実家だよなあ。まるで遠くの温泉にいるみたいじゃん」
すっごく得した気分。湯船に頭を預けて真上をぼーっと眺めていると、いつの間にか上下が反転していた。上から星の絨毯を見下ろしている感覚。それにまるで時間が止まったような気さえする。
のんびりと夕日が沈むころから湯船に水を張り。薪を割り。薪に火を付け。火の番をする。この一つ一つのプロセスを経てやっとお湯が沸く。確かに手間がかかるがその分「ありがたい」という気持ちになれる。昔の人は「お風呂をいただく」という表現をしていたそうが、なるほどと頷ける!
ところが、実際にこの作業をしても、決して面倒とは思えないから不思議。むしろその一つ一つの仕事がとても楽しく思えるのだ。とくに薪の炎を見ている時は焚き火をするのと同じで気持ちがとても安らぐ。薪が燃える香りもいい。ぜひ今度は息子たちに風呂沸かしを体験させてみよう。
さて、もうかれこれ30分以上は浸かっているだろうか。僕は優しいお湯とヒノキの香り、そして満天の星の魅力でここから出られなくなっている。
「出たくない。ずっとここにいたい」
……と思っていたら兄Craftが焼酎の入ったグラスを持って来てくれた。ははは、もう僕は笑うしかない……。
by Marvel
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