3月9日(とても寒い日です)
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とりあえず、最初にいるものです。
みなさん、こんにちは!
これから手作りビール講座を始めます。最初の仕込の所で使う道具はこれです。大きめな鍋、コンロ、お玉 、発酵タンク、消毒スプレー。そしてビールの素と水です。水はできたらおいしい方がいいですが水道水でも充分おいしくできます。 |
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これから仕込みに入りますが、ビール作りで一番大切なことは何かと言いますと「消毒」です。
ビールの発酵はビール酵母の働きで行うのですが、もしカビ菌などの雑菌が入ってしまうと、失敗してしまいます。ですから、とにかく消毒はしっかりしましょう。
キットに付属している消毒スプレーは成分がエチルアルコール65% + 精製水35%です(スプレー後の水洗いは不要)。また中身がなくなったら同じ成分のものを薬局で入手してください。他の成分が入っていると臭いが付きやすいので注意しましょう。 |
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さて、仕込開始です。
これはビールの素。麦芽を糖化させたものの濃縮ですから、どろどろの水飴状態です。なめると苦くて甘い。これがビールになるのかねー? |
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お湯を3リットル沸かし火を止めます。これにビールの素を入れよく溶かします。さらに砂糖を加えよく溶かします。以前はこのあと煮込む方法でご紹介していたことがありましたが、現在は不要です。 |
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タンクは念入りに洗って、乾燥させてからきちんと消毒をしておいてくださいね。そしてこぼさないように、上手に慎重に入れてくださいね。このように、踏ん張って、ちょっと上から滝のように流すのがコツ。そして総量が決められた量になるまで水を追加します。お水はおいしい方がもちろんいいです。都会の方はミネラルウォータを使った方がいいかも。でも安くあげるには水道水でも充分です。 |
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これはビールイースト。あらかじめコップに半分くらい、ぬるま湯と砂糖小さじ2杯を溶かしてあります。これにイーストをパラパラ振りかけて、ラップします(混ぜないようにしてください)。20分〜30分くらいで反応してきます。これが予備発酵と言われるもので、寒い時期はこうして活性化させます。お湯は40℃以上にはしないように!
冬以外の時期なら直接イーストをタンクの中に振りかけていいです。 |
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液温が35℃くらいになったら 予備発酵させた、イーストを発酵タンクの中に入れます。(40℃以上はダメですよ!イーストが死んでしまいます)これで一次発酵までの作業はおしまい。簡単でしょう? |
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イーストを入れた状態。実際に発酵が活発になってくるのは、2、3日後だと思います。でも、昨日からの寒波で気温は10℃にもなりません。昼間は暖房があるのでいいですが、夜はぐっと冷えますねー。この為に工夫が必要です。 |
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発酵栓を付けて仕込み完了です。説明書には一次発酵期間が1週間から10日と書かれていますが、これは季節によってかわりますので、そうならなくても気にすることはありません。これより短いときも長いときもあります。
発酵に適した温度は18〜26℃です。それなら暑い夏や寒い冬はビールが作れないのかと思われるかもしれませんが、そんなことはありませんよ。温度管理ができる部屋がない場合は、自分でいろいろ工夫してみる。それもビール作りの楽しさではないでしょうか? この後、僕がやっている方法をお教えしますので、参考にしてみてください。
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冬場夏場の発酵の工夫の例をご紹介します。
「冬場の安定発酵システム」

これはアウベルクラフトに来られるお客さんが熱帯魚のヒーターをタンク内に入れる方法を工夫されたのを聞いたのが始まりです。ヒーターをタンク内に入れるのは密閉させるのが難しいと思いました。そこから他の人でもできそうな方法を考えて作ってみました。
(1)クーラーボックスに水を入れ、熱帯魚のヒーター(サーモスタットが必要、或いはサーモスタット機能があるもの)を入れます。
(2)発酵タンクはポリ袋の中に入れてこの水の中に入れます。
(3)できたら保温用の銀マットで蓋をしたら良いでしょう。
(4)発酵温度を22〜24℃くらいにします。
これで完了です。結果は本当に良い結果が得られましたので、みなさんにご紹介することにしました。この方法は夏場でも応用可能ですね。
詳しくはアウベルラボ「安定化発酵システムを作ってみた」をご覧下さい。 |
夏場のビール作りは難しそう。そう思われるかもしれません。特に猛暑を超えるような気温の場合、ビール作りは温度管理が大変ですね。でもちょっとした工夫で苦労なくビール作りができます。その方法をお教えしますので、参考にしていただけたらと思います。
(1)大きな発泡スチロールを手に入れます(通販でも買えます)。厚みのある方がより安心です。
(2)発泡スチロールの水漏れのことを考慮し、内側に大きなポリ袋を入れます。
(3)ポリ袋の内側に水をある程度入れたら、ポリ袋に包んだ発酵タンクをこの水の中に入れます。(念のためタンクの下にはクッション材を置きました)
(4)さらに8分目くらいになるまで水を加えます。
(5)温度計を入れて水温を管理します。
(6)僕の場合は熱帯魚用のファンを使って冷やしていますが、2〜3℃くらいは低くなります。
(7)温度が高くなったら、氷や保冷剤を入れて冷やしてやります。
以上の方法で温度を下げてやることで夏場でもビール作りが可能です。ちなみに僕の例では会社が土日お休みで、部屋の温度が30℃を超えても、水温は24〜25℃でした。(ファンは止めた状態です)
【 注意事項 】
●厚みが薄い発泡スチロールだと水漏れしやすいので、必ず内側に大きなポリ袋を入れてください。発泡スチロールの代わりに大きめなクーラーボックスがあればそれを使うと良いです。
●水は結構重いので、水の出し入れがしやすい、シンクの近くの場所を選んでください。
この他にも保冷ボックスを作って、暑い時期は保冷材を入れて冷やしたり、寒い時は熱源を入れて暖めたりするなどの工夫をすることで年中ビールを作ることができます。
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発酵の活性度は発酵栓の動きでわかります。
発酵栓の動きを動画でご覧下さい。
この動画はフルーツビールを作っています。
(まだ発酵しているのに発酵栓の水が動かないという方へ)
3月10日(2日目:お休みでしたが、ジュニアクラブがありました)
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発酵が始まりました!
仕込みの翌日です。発酵が始まりました! 今日はお休みでしがが、ジュニアクラブのために、ストーブをつけていました。だから、順調に発酵しています。(タンクの中をお見せしていますが、通常はできるだけ開けないようにしましょう)
※ジュニアクラブ「子ども手造り教室」というのは現在はやっていませんが、子ども達を集めて豆腐作りや石窯ピザ作りなど手作りの楽しさを知ってもらおうという教室です。
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3月12日(4日目:昨日はお休みだったので、どうかな?)
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順調に発酵していますね。昨日より、泡が多くなっています。盛んに発酵している証拠。 |
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これが発酵用の保温ボックスです。これに携帯用カイロを入れておくと、寒い時でも発酵が促進されます。発泡スチロールや段ボールなどで工夫してくださいね。(先ほど熱帯魚用ヒーターの事例をご紹介しましたが、こんな方法もありますので工夫してくださいね) |
3月13日(5日目:今日は真冬並の寒さと風です)
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泡の立ち方が昨日より少ないですね。タンクの壁にびっしりアクがついているので、ピークが過ぎて、じわじわと発酵を続けている感じです。
香りもとても良い香りになってきました。少しワクワクした気分。今日は大きい方のボックスに入れて、お湯を入れたペットボトルを入れて保温しています。これなら維持費が安い! |
3月14日(6日目:今日は春らしい陽気です)
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まだ頑張って発酵を続けています。
昨日はとても寒かったので心配でしたが、湯たんぽのお陰か順調です。今日は暖かい日なので、発酵には最適! |
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ボックスの中にお湯を入れたペットボトルを入れています。かと言ってこれがずっと朝まで暖かいわけではないですが、これでも発酵させるには効果的です。 |
3月15日(7日目:今日は雨上がりで、暖かい日です)
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昨日は湯たんぽを忘れて帰ってしまったんですが、それほど寒くなかったので、発酵も順調です。それに日に日にビールらしい独特の香りになってきました。でもまだ発酵が完了するには何日かかかりそうです。 |
3月16日(8日目:今日はわりと暖かい日です。明日から天気が崩れる?)
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昨日と同じような感じが続いています。もう発酵も終わりかけていると思います。良く消毒したコップに少し取って味見をしましょう。味見をするとどのくらい発酵が進んでいるかがわかります。
私も先ほど飲んでみました。若いビールがもうできてますよ。完全に発酵が終わったかは比重計を使うと正確ですが、味をみただけでも、甘みが残っているかどうかでだいだいわかります。
明日とあさってはお休みなのですが、このままでいいでしょう。来週はビン詰めに入る予定です。 |
3月19日(11日目:お休みの間は寒かったけど、今日はすっごく暖かい日です)
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今日は小学校の卒業式。暖かい日で良かったね。
さて、昨日までとても寒かったけど、今日はすごく暖かいです。朝、発酵の様子を見ましたが、まだ完全には発酵は終わってないようです。明日くらいに比重計で糖度を換算して、発酵の進み具合を確かめてみようと思います。比重計はなくても、味見だけでわかりますけどね。 |
3月20日(12日目:今日はちょっと汗ばむくらいです)
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今日はみなさん、お休みかな。暖かいので外に出かけてるんですか? 僕は仕事……。
さて、もう一次発酵は終わりのようですね。こんな感じで完全ではないですが、この2、3日中にはビン詰めに入ります。
少し飲んだんですが、完璧にビール。まだおいしいとは言えないですが、ここまでは順調です。 |
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これは比重計です。完全に発酵が終わったかどうかは、これを使うと良くわかります。
比重計はなくても、味見をするとわかります。完全に発酵が終わっていないと甘みを感じます。甘みが完全になくなれば発酵が完了ですので、ビン詰めに入ります。
初心者の方は一次発酵の終了〜ビン詰めのタイミングが分かりにくく難しいですね。よくいただくご質問でご説明させていただいていますので、ご覧下さい。 |
3月22日(14日目:今日はビンに詰めます。ビール作りのハイライトですね)
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さあ、いよいよビン詰めです。
ここは一番ビールを作っている実感が湧く作業ですね。 ビールビンを洗剤(汚れている場合は洗ビンブラシ)で洗ってよくすすぎます。そして必ず乾燥させた後にアルコール消毒をしてくださいね。またガラスにひび割れなどがないかもチェックしましょう。(キリンの軽量タイプビンは弱いので使わないでください)
最初にプライミングシュガーと言って2次発酵のための砂糖を、大ビンに対して4〜5gの量で入れます。(最初に作る時は4gと5gを作ると自分の好みがわかりますので次回はその量にしましょう)ここで入れる砂糖はビンの中で再度発酵させて、泡の素になる炭酸ガスを作るためです。これ以上入れると破ビンの恐れがあるので、入れすぎないようにしてください。 |
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ビンにビールを入れる前にコックの内側をアルコールスプレーで消毒するのをお忘れなく。そして、このようにタンクのコックを開けてビールを注ぎます。ビンの上から4〜5cmくらい残して止めます。(必ず緑のフタを少しゆるめておきましょう。発酵栓内の水が逆流してしまいます)
最後の方になってくるとオリが入りやすくなるので、タンクを傾けて上澄みだけを入れましょう。
ビン詰めの時に泡が立つようならまだ完全に発酵が終わっていないということですので、引き続き発酵が終わるまで待ちましょう。
使用後のタンクの中には糟がこびりついて洗いにくくなっていると思います。その場合はタンクの中に水を貯めて、1〜2日置いておくくと、簡単に洗い落とすことができます。
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王冠の内側も消毒をしてから、打栓器で打栓します。これは簡単な作業ですが、初めての方は一度練習してからにしてくださいね。打栓しおわったら、チェックのためと砂糖を混ぜるために、ビンを逆さまにして、もどしてください。この打栓作業は実に楽しいです。(写真の打栓器は旧タイプです) |
 古いタイプの打栓器の場合ですが、打栓の際に必要以上に強く押しすぎると、金属部分が変形しやしくなります。どうしてもしっかり打栓したいと思うからかもしれませんが、そうすることで打栓器の寿命が短くなりますし、ビンが割れることがあります。使用期間が短いのに打栓し辛くなる場合の原因の殆どが強すぎる打栓です。特に男性の方は充分ご注意ください。(現在のタイプはこのようなことはありません) 打栓器の購入はこちらでどうぞ
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打栓の作業の途中で少し一休み。コップにできたてのビールをいっぱい。とっても若いビールです。にごりビールとでも言いましょうか。まだ澄んではいませんし炭酸もありません。ぐいっと一気に飲みました。意外に旨いです!
これが2週間くらいすると澄んできておいしく飲めるようになります。2、3ヶ月、あるいは6ヶ月と時間をおくと、もっと香りや味もおいしくなるわけですね。これが熟成です。アウベルクラフトには4年物があります。
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とりあえずの作業は一段落しました。あとは陽の当たらない涼しい場所に保管して、熟成を待ちます。その間にオリジナルラベルでも作りましょう。
ご覧いただきましたように、ビール作りはとっても簡単なんですよ。コツは消毒をこまめにすることと、発酵に適した温度になるように工夫すること。その二つです。さあ、あなたもビール作りを始めようではありませんか。 |
3月27日(19日目:最近肌寒い日と暖かい日が繰り返します)
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ビン詰めして5日たちました。オフィスの片隅ですやすやと眠っているビールたち。濁っていたビールも上の方から少しづつ澄んできました。あと10日くらいしたら、とりあえず飲めます。
でも手作りビールは1ヶ月くらい、できたら2,3ヶ月は熟成させることで驚くほどおいしくなります。半年物のビールもぜひ味わってみてくださいね。(でもそれまで持たないかも) |
4月6日(29日目:花見に手作りビール持参で!)

手作りビール持って、岡崎公園の桜を見に行きました。
桜をバックにかんぱーい!本当に旨いです。
みなさんいかがでしたか?
ビール作りと言っても実際は殆どが発酵を見守るという感じでしょう?
そうなんです。発酵に適している温度に保ってあげること、そして雑菌が入らないように注意することくらいです。後はビンに詰めておいしくなるのを待つだけです。
ビールの種類もたくさんありますから、ぜひいろんなビールの味を試してみてください。それからこんな風にオリジナルラベルを作るのも楽しみですね!(ラベルの作り方はこちらでどうぞ)

さあ、あなたもビール作りを始めましょう ♪♪ (^o^)/
ビール作りをしているといろいろ疑問が出てくると思います。作り方などでご質問がありましたら、どうぞお気軽にマーベルまで! おいしいビールが作れるように最後までフォローしますよ! ご注文は 手作りビールキットのページで! |

●「マーベルの手作りビール講座」をみましたが最初の2、3日は泡が出ていて盛んに発酵していましたが、それ以降は講座のように泡がたっていないのですが失敗ですか?
いえ、失敗ではありません。必ずしも全てあの講座の写真と同じようになるとは限りません。少なくとも最初の2、3日泡がたっていたのですから発酵をしていることは間違いがありません。(続きはこちら)
●泡立ちが物足りないのですが原因はなんでしょうか?
コップに注いだ時に泡立ちが不充分ということですね。これは主に二つの理由があります。2次発酵が不充分という理由と砂糖が不足していることが理由です。(続きはこちら)

ご質問はお気軽にマーベル(質問フォーム)までお送りください。 |
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