
今までぼくたちはこの手作り豆腐キットのことを「手作りはおいしいですよ」とごく普通に当たりさわりのないことを言っていました。もちろんおいしいのですが、ぼくたちがみなさんに一番伝えたいことではないことに気がついたので、そのことをきちんお伝えしなければといけませんね。

ネットでもあまり書かれていないことなのですが、お豆腐屋さんでは常識になっていることがあります。それは「豆腐はできたて直後が一番おいしくて、時間とともにおいしくなくなっていく」ということです。つまり「お豆腐は鮮度が命」ということです。
手作り豆腐キットは作っている人がその場にいて、できたての瞬間に立ち会うことができます。だからできたてのみずみずしさと、ふわっとした食感や風味。そして高級大豆トヨマサリの旨さと甘さを味わえるのです。

そしてざる豆腐になると、できたてをふわっと盛るだけですから、さらにできたてならではのおいしさを味わえます。
さらにさらにもっとおいしいのが「汲み豆腐」とか「寄せ豆腐」と言われる豆腐。ニガリを入れて豆乳が固まってきてすぐの豆腐です。これ以上のできたてはありません。もう「感動の味!」としか表現できない極上のおいしさです。
今まで気がつかなかったのですが、この一番大切なことを作り方の説明の一部でちょっとだけしか書いていませんでした。これはいかん。ぼくたちがみなさんになぜこの手作り豆腐キットで手間暇かけて豆腐を作ってもらいたいのか、それをしっかりお伝えしないといけないと思ったのです。そして手作り豆腐は鮮度が命です。ですからできるだけ早く食べましょうね。

スーパーで売っている安い豆腐と、この手作りキットで作る豆腐を比較するのはあまり意味がないのですが、みなさんに知っていて欲しいことなので少し説明させていただきます。
さきほど材料の大豆は北海道産のトヨマサリといいましたが、これは大豆の王様です。いろんな大豆を比べましたが、断然甘みがあっておいしい豆腐ができます。ただし値段がすこし高いのでスーパーの豆腐でこれを使っているものはあまり見かけません。
にがりはもちろん天然から作った塩田産にがりです。スーパーで売っている豆腐は工業的に作られている塩化マグネシウムとか、硫化カルシウムとか、GDLとかです。しかも消泡剤というものが使われています。手作りするとわかるのですが、豆乳を煮込むと泡がいっぱいできます。これを消泡剤で消して効率良く豆腐を作っています。(市販の豆腐はこの消泡剤の表示義務がないので書いてない場合があります)
とはいえ、スーパーの豆腐はびっくりするほどの安さですから、それ相応のことをしないと競争に勝てないということも当然よくわかっています。ですから、時々でよいのでこうやって自分で手作りして「本物の豆腐はこのおいしさなんだ」ということを知っていただきたいのです。

その他にも豆腐作りの良さはいろいろあります。手作り豆腐がなぜおいしいのか。その秘密を「
豆腐作りのお話」で読んでくださいね。